WELLSTAR AGENCY PROPERTY SIMULATION GUIDE
Ver. 7.0
User Guide

物件シミュレーション Pro

操作マニュアル  &  用語解説書

一棟収益物件のキャッシュフロー・IRR・DSCR・出口戦略を 35 年にわたって試算するためのガイド。
操作手順・入力項目の意味・結果の読み方・主要指標の定義を、ひとつにまとめました。

Step Flow

基本操作の流れ

シミュレーション画面の表示から PDF 保存まで、どなたでも 6 ステップで完了します。

1

シミュレーション画面を開く

当社サイトの「不動産投資」ページから「物件シミュレーション Pro」のリンク(またはこちらのURL)をクリックし、シミュレーション画面を開きます。ログインや認証は不要で、どなたでもそのままご利用いただけます。

2

物件の基本情報を入力

物件名・住所・物件価格・構造・築年数など、物件概要書に記載された情報を入力します。構造を選ぶと建物比率などのデフォルト値が自動セットされます。

構造ごとに法定耐用年数(木造22 / 軽鉄19〜27 / 重鉄34 / RC・SRC47年)が自動適用されます。
3

融資条件・賃料・経費を入力

借入金額・金利・期間、月額家賃、年間固都税を入力します。月額家賃は満室想定の GPI として扱われ、空室率・OPEX 率は築年数・構造に応じて自動算定されます。

4

課税モード・前提パラメータを選択

個人(累進課税)/法人(実効税率)をお選びください。法人の場合は実効税率をご調整いただけます。建物比率・諸費用率・売却諸費用率は、初期値のままでも十分正確に試算できますが、物件固有の事情に合わせて上書きも可能です。

建物比率は構造別のデフォルト値(木造70% / 軽鉄65% / 重鉄60% / RC55% / SRC50%)が自動適用されます。売買契約書などで按分比率が明示されている場合は、そちらの値をご入力ください。
5

シミュレーション実行

「シミュレーション実行」ボタンで 35 年分の収支計算が実行されます。完了後、結果サマリー(自己資金・総収益・IRR)と、デッドクロス(税負担が増加するポイント)が検出された場合はその警告も表示されます。

6

タブを順に確認し PDF 保存

キャッシュフロー/P&L/評価バランス/出口戦略の 4 タブを順にご確認ください。画面右上の「PDF出力」ボタンから、グラフを含む A4 レポート(全 9 ページ)を保存・印刷いただけます。

PDF をきれいに出力するには、各タブを一度ずつクリックしてグラフを表示させてから「PDF出力」ボタンを押してください。
Input Fields

入力項目一覧

各入力欄の意味と目安値を一覧でご案内します。物件概要書をお手元にご用意ください。

物件の基本情報
項目単位説明
物件名レポートの見出しに表示される名称。
所在地物件の所在地。市区町村まで入力。
物件価格売買価格(税込)。諸費用は別項目で扱います。
建物構造選択木造 / 軽量鉄骨 / 重量鉄骨 / RC / SRC。選択に応じて耐用年数・建物比率・空室率カーブが切り替わります。
築年数現時点での築年。中古資産の簡便法で残存耐用年数を自動計算します。
土地面積積算評価(路線価ベース)の算出に使用。
建物延床面積建物再調達価格×残存年割合で積算評価に使用。
相続税路線価円/㎡国税庁「路線価図」の値。不明なら同エリア相場を仮入力(例: 20万円/㎡)。
融資条件
項目単位説明
借入金額金融機関からの融資額。自己資金比率(LTV)の計算に使用。
借入金利%年利。アパートローンは通常変動金利。金利上昇ストレスを見たい場合は +1〜2% で回してください。
借入期間返済期間。元利均等返済で月額返済額を算定。
賃料・経費・個人属性
項目単位説明
月額家賃(満室)全戸満室想定の月額合計。 × 12 → GPI(年間潜在総収入)
年間固都税固定資産税+都市計画税の年額。OPEX(運営費)に加算されます。
個人年収個人モード時に所得税累進・損益通算の計算に使用。1,000万円超で土地利息損失制限が発動します。
課税モード・前提パラメータ
項目単位説明
課税モード選択個人(累進課税+住民税)/法人(実効税率)。
法人実効税率%法人モード時のみ表示。中小法人は約 33% が目安。
申告方式選択個人モード時のみ。青色申告は損失を 3 年繰越可能。
建物比率%物件価格のうち建物が占める割合。減価償却の基礎。構造別デフォルトあり。
設備割合%建物価格のうち設備(15年償却)が占める割合。通常 25%。
取得時諸費用%登録免許税・仲介手数料等。WS 推奨値は 8%
売却時諸費用%仲介手数料(3%+6万)・抵当抹消等。目安 5.5%。
Result Tabs

結果タブの読み方

シミュレーション実行後は 4 つのタブで多角的に収支を確認します。

TAB 01

キャッシュフロー (CF)

GPI → EGI → NOI → BTCF → ATCF の年次推移。DSCR・BER も色分け表示。実際に手元に残る現金の流れを確認するタブです。

TAB 02

P&L (損益計算)

会計上の損益(減価償却を含む)。営業利益・経常利益・税引後利益を年次で確認。キャッシュフローと乖離が大きい年=デッドクロス近辺に注目。

TAB 03

評価バランス

ローン残債と、売却想定価格(収益還元価格と積算評価の小さい方)・土地建物評価の推移。残債に対して評価額が下回る年(債務超過)の確認に使います。

TAB 04

出口戦略 (IRR)

各年度に売却した場合の IRR(内部収益率)と累積手取りの推移。ピーク年を特定し、最適売却タイミングを検討します。

Glossary

用語解説

シミュレーション結果を正確に理解するための主要用語を、カテゴリー別にまとめました。

収益性指標(キャッシュフロー)

GPIGross Potential Income

満室想定の年間総収入。月額家賃 × 12。

GPI = 月額家賃 × 12
EGIEffective Gross Income

GPI から空室損失を控除した実効総収入。

EGI = GPI ×(1 − 空室率)
OPEXOperating Expense

運営費。管理費・修繕費・固都税・保険料等。本ツールでは築年数に応じて EGI の 10〜20% が仮定され、固都税が別途加算されます。

NOINet Operating Income

純営業収益。物件そのものの実力を示す最重要指標。融資条件や税金に左右されない物件固有のパワーを表します。

NOI = EGI − OPEX
ADSAnnual Debt Service

年間元利返済額。元利均等返済方式での元金+利息の合計。

BTCFBefore-Tax Cash Flow

税引前キャッシュフロー。NOI から借入返済を引いた現金ベースの収支。

BTCF = NOI − ADS
ATCFAfter-Tax Cash Flow

税引後キャッシュフロー。BTCF から所得税・法人税を引いた最終的な手残り。投資判断の基本値

ATCF = BTCF − 税額

投資判断指標

表面利回りGross Yield

物件価格に対する GPI の比率。販売図面で最初に目にする指標だが、空室・経費を無視しているため実態とは乖離する。

表面利回り = GPI ÷ 物件価格
NOI 利回りキャップレート / Cap Rate

物件価格に対する NOI の比率。空室・経費を織り込んだ実質利回り。収益還元価格の基礎でもある。

Cap Rate = NOI ÷ 物件価格
DSCRDebt Service Coverage Ratio

NOI が ADS の何倍あるか。1.0 を下回ると物件収益のみでは返済できないことを示す。1.25 以上が融資承認の目安

DSCR = NOI ÷ ADS
1.25 以上=安全圏 / 1.0〜1.25=要注意 / 1.0 未満=危険(自己資金投入必須)
BERBreak Even Ratio / 損益分岐点

GPI に対する「OPEX + ADS」の比率。85% を超えるとリスクが高まる。

BER =(OPEX + ADS) ÷ GPI
85% 以下=安全 / 85〜90%=注意 / 90% 超=危険
IRRInternal Rate of Return / 内部収益率

投資期間全体の年換算利回り。売却時の手取りを含めた全キャッシュフローの現在価値が 0 になる割引率。物件の"本当の利回り"を示す最重要指標。

税後 IRR 8% 以上が一般的な目標ライン。計算不能(「--」表示)=投資回収できない物件。
LTVLoan To Value

物件価格に対する借入比率。90% を超えるとフルローン相当。自己資金比率の逆数。

LTV = 借入金額 ÷ 物件価格

物件価格の評価手法

収益還元価格

NOI を期待利回り(初年度 Cap Rate)で割り戻した価格。将来の家賃減少や空室率上昇に連動して年々低下。

収益還元価格 = NOI ÷ Cap Rate
積算評価

土地価格(路線価 ÷ 0.8)+建物価格(再調達単価 × 延床 × 残存年数 ÷ 耐用年数)。銀行融資の担保評価に近い。

積算評価 = 土地評価 + 建物評価
売却価格(本ツール)

収益還元価格と積算評価の小さい方を採用。楽観バイアスを排除し、保守的な売却価格で出口戦略を評価。

売却価格 = min(収益還元価格, 積算評価)

減価償却と耐用年数

法定耐用年数

税法上の建物の使用可能年数。木造 22 / 軽量鉄骨 19〜27 / 重量鉄骨 34 / RC・SRC 47 年。

中古資産の簡便法

中古物件の残存耐用年数を計算する税法上の簡便法。築年数が法定耐用年数を超えている場合は一律「法定耐用年数 × 20%」。

残存年数 =(法定耐 − 築年数)+ 築年数 × 20%
例:築35年の重鉄(法定34年超過)→ 34 × 0.2 = 6.8 → 6年償却。短期償却で節税効果大。
建物比率

物件価格のうち建物が占める割合。減価償却の基礎となる重要パラメータ。一般に木造で高く(60〜70%)、RC で低い(50〜55%)。契約書・固定資産評価証明で按分比率が分かる場合はそちらを優先。

設備割合

建物価格のうち設備に分類される部分。法定耐用年数は 15 年(短期償却)。建物本体と分けることで節税効果が高まる。

税務・損益通算

デッドクロス

年間の元本返済額が減価償却費を上回るポイント。それ以降は帳簿上の利益が膨らみ税負担が急増するため、売却検討の目安は到達年+1〜2年

本ツールは自動で検出し、結果サマリー下に警告ボックスを表示します。
損益通算

不動産所得のマイナスを給与所得から差し引く仕組み(個人)。所得税の還付・住民税軽減に直結する。

損失繰越(青色申告)

損益通算後もマイナスが残った場合、翌年以降 3 年間繰り越して次年度以降の利益と相殺可能。青色申告者のみ

土地利息損失制限措法41の4

不動産所得が赤字のとき、借入金のうち「土地取得相当分の利息」は損失として給与と通算できない。給与所得 1,000 万円超の高所得者で特に影響大。

譲渡所得税(個人)

売却時のキャピタルゲインに対する課税。保有 5 年以下=短期 39.63%/保有 5 年超=長期 20.315%。

法人実効税率

法人税+地方法人税+法人住民税+事業税の合算実効率。中小法人で約 33%(所得 800 万超部分)が目安。法人モードではキャピタルゲインも同率で課税。

Checklist

結果を読むときのチェックポイント

シミュレーション結果を投資判断にお役立ていただくための確認項目です。

健全性チェック

  • DSCR ≥ 1.25(融資承認ライン)/初年度で 1.0 を割る物件は要警戒
  • BER ≤ 85%(損益分岐の安全圏)
  • LTV ≤ 90%(自己資金 10% 以上推奨)
  • 初年度 ATCF がプラスであること(マイナスなら節税コストを許容できるかを要判断)

出口戦略チェック

  • デッドクロス到達年の確認 → 売却目安は到達年 +1〜2 年
  • IRR ピーク年(出口戦略タブ)で最適売却タイミングを特定
  • 保有期間中の 累積 CF + 売却手取りが自己資金を上回るか
  • 売却想定年で ローン残債 < 売却価格になっているか(債務超過回避)

リスク感応度チェック

  • 金利 +1〜2%でも DSCR ≥ 1.0 を維持できるか(変動金利リスク)
  • 空室率 +5%での CF 悪化度
  • 家賃 −10%での耐性(築古シナリオ)
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シミュレーション結果のご相談

数値の解釈や、より詳細な投資判断については、ウェルスターエージェンシーの投資アドバイザーまでお気軽にご相談ください。

Disclaimer / ご注意 本シミュレーションは入力条件に基づく試算であり、将来の収益を保証するものではありません。実際の運用には、賃料相場・空室リスク・金利変動・税制改正等さまざまな要因が影響します。具体的な投資判断の際は、物件ごとの詳細調査と専門家(税理士・金融機関等)のアドバイスを併せてご検討ください。